あん摩マッサージ指圧の適応症を知ってほしい

みなさん、「マッサージをして欲しい!」と思うときはどんな時ですか?家族や友人からお願いされるのは肩こり・首こり・腰痛などのときが多いです。私は身長が高いほうですが幸いにも腰痛はあまりないのでわかりませんが、むしろ猫背であり肩こりは常にあります。昔、学生さんの実習を指導しているとき、勉強になると思って私の肩のマッサージをさせていました。マッサージを受けてみると本当に気持ちよく、身体が軽くなり、「もっとして欲しい。」と心の中で思います。

今度は治療側としてマッサージをする場合ですが、肩こり・首こりはものすごく手ごたえあります。治療前後で実際に肩のこり部分を触ったり、少し動かしてみると明らかに違いがわかってもらえるからです。また腰痛は、表面から触ってかなり深い位置に筋肉のこりや痛みの原因があるため、針治療が最も効果的だとされていますが、私のマッサージ法では深部にまで届かせるコツがあり、針治療と同様の効果が期待できます。深部の筋肉をほぐされる独特な感覚を、当院でぜひ体感してみてください。

最後に、教科書としてマッサージの適応症にはどんなものがあるのかを紹介します。上記で述べた肩こりや腰痛こそありませんが、かなり多くの症状に効果を示しています。あん摩マッサージ指圧は健康な人の健康維持に役立つだけでなく、以下のような疾患に対して治療効果が期待できると記載されています。

  1. 神経系疾患 神経痛、麻痺、けいれん、脳卒中後遺症、ポリオ、ノイローゼ、不眠症、ヒステリーなど
  2. 運動器疾患 関節リウマチ、筋肉痛、筋委縮、筋力低下、軽症の筋炎・腱炎、関節の拘縮・変形、癒着の剥離、骨折・脱臼・捻挫の後遺症など
  3. 消化器疾患 胃下垂、慢性胃炎、胃腸のアトニー、慢性腸炎、便秘など
  4. 呼吸器疾患 気管支ぜんそく、慢性気管支炎
  5. 循環器疾患 心臓神経症、局所性の充血・うっ血・貧血・水腫など
  6. 泌尿器・生殖器疾患 膀胱麻痺、膀胱けいれん、膀胱炎、乳腺障害
  7. 新陳代謝疾患 痛風、脚気など
  8. その他 疲労回復、病後の体力回復など

東洋療法学校協会編,2008,『あん摩マッサージ指圧理論』,医道の日本社 より一部抜粋

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